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オーパ・クラフトの社長ブログ

2019新年飾り(挨拶文付き)

2019年 新年のご挨拶

2018 .12 .31 staff

新年を迎えるにあたりあらためて皆様方に初春のお慶びを申し上げますとともにお世話になった方々に心より御礼申し上げます。

2019新年飾り

 

2018年を振り返って

一年を振りかえるにあたり,まずは昨年1年間,北海道から沖縄県・石垣島まで全国のお客様からご注文をいただきましたことに,オーパ・クラフト代表として心より御礼申し上げます。

■ 製品における品質向上、更なる安全性の向上への各種取り組み

弊社は長年,「人命に直接関わる重要保安部分は、各種の強度試験を繰り返した後に、決して他社への製造委託をせずに、自社内できめ細やかな検査体制を構築して製造・販売する」ことを最も大切な柱の一つとしてきました。より進歩した強度・耐久性を求め, 2018年は新たに,ジョイント部分やフロートの取り付け部を含めたボート船体の重要な保安部位について,新たな検査工程・検査方式を作り出し,運用を開始するなど,製造及び検査工程を変革してきました。こうすることで,より一層安心していただける分割ボートをオーナー様のもとへお届けできると信じ、製造スタッフと共に協議を重ねながら、日々生産・品質管理の改善をしております。ご遠方にボートを発送する際も,スタッフ一同で「ご安全に」と祈りを込めながら一礼して見送っておりますが,ボートの出荷を見送った後のスタッフの笑顔がますます輝いてきた一年となりました。会社が一丸となって安全な製品を送り出すという方針が浸透してきていると実感しています。

■ 「はねあげフロート」の好評

2016年に弊社が発売いたしました業界初の「はねあげフロート」は,おかげさまで2018年も大変ご好評をいただきました。弊社が18年をかけて開発してきた「はねあげフロート」は,最高に便利だからこそ使うことが当たり前となる安心なミニボート必須の装備品として,特別な広告・宣伝をしていないにもかかわらず,固定式ではなく「はねあげフロート」を,との指名注文がほとんどを占めました。その魅力がより多くの方に伝わり,ボートの安全性が高まっていくことがオーパの願いでありますが,この点,ご友人等に勧めてくださった既存ユーザーの皆様に厚くお礼申し上げます。

はねあげフロート」を,小規模企業でありながらも世界に先駆けてでも開発しなければならないと強く意識したのは,固定式フロートの開発に着手した段階からでした。フロートのような安全に関わる装具は,当然のことながら,ユーザー様に実際に使用していただかなければ意味がありません。しかし,船体の脇にとりつけるフロートは,安全性の向上に非常に貢献するものの,走行時には抵抗となるため,ネジ止め式など手間がかかるものは,すぐに装着率が下がるのではと懸念いたしました。そういうわけで,オーパのフェンダー・フロートはワンタッチ脱着,所要時間10秒以内という世界初の仕組みを開発したのです。しかし,たとえワンタッチ装着といえど,本当に海況が穏やかなときには,脱着の一手間を惜しんでわずかながらも装着しない方がいらっしゃるのではという懸念は拭えませんでした。たとえ脱着の手間がほとんどなくても,走行時の抵抗感は装着時とそうでない時とでは明らかに異なります。実際,固定式フロートの発売後,実際の使用率をお客様に機会あるたびに尋ねましたが,脱着がほんの10秒程度で済むオーパ・クラフトのフロートは幸い,95%を超える方が,装着してからの出船とお答えいただきました。ですが裏を返せば,たとえ数%であったとしてもせっかくお買い求めいただいたフロートをお使いいただいていない方がいるわけで,その理由は,やはり走行時の違和感が原因ではないかということになりました。

そこで,「一切迷うことなくフロートを装着してから出船していただく」というボートメーカーとしては前人未到の課題を満たすべく,理想のフロートの姿をとことん追求することを続けてまいりました。この安全思想の大きな柱を具体的な商品として結実させたのが「はねあげフロート」ですが,幸い,かなりの割合のお客様にこうしたオーパの願いをご理解いただき,はねあげフロートを選んで頂いたことに,二重,三重の喜びを感じております。

■「すべての小型分割式ボートを転覆防止用フロートつきで販売する」業界初の決断

安全性向上への挑戦の一つとして、オーパ・クラフトは,2018年より,個人ユーザーのお客様への分割ボート販売にあたり,すべて転覆防止用フロートをつけた状態で販売をする,つまりフロート無しのボートはご注文を受けないとの販売方針を実行にうつしました。フロート込みのみでの販売はお客様からどのような反応があるか,心配いたしましたが,実質的な安全性向上策として,避けては通れないと考えたからです。

リジッドタイプの小型ボートの弱点は,中・大型の船やゴムボートに比べ,風波や乗員の重心移動の影響で船の姿勢が不安定になりがちになることでしたが,フロートを装着するだけで大幅に安全率が向上いたします。これは,フロートの研究・開発・製造・販売を通じて弊社が実感していたことではありますが,また,海上保安庁様が調査されている海難に関する調査においても、この5年間,FRP製などリジットタイプのボートにおいて発生している転覆浸水事故88件のうち、メーカー各社が製作・販売したフロートを装着しているボートは、その中には含まれていないという事実からも,フロートの装着による小型リジッドタイプのボートの安全性向上は,たいへん大きな効果があると確信致しております。

40年以上に渡り、数千艇の分割式ボートを世に送り出してきたボートビルダーの弊社としましては,ボートのみならずフロートをボートの必須装具として扱い,ボートのみでは販売しないようにすることは,ボートというものに対する見方を変える大きな決断ではありましたが、かねてからの念願であった,「フロート装着を義務化することで、すべてのオーナー様の安全性を平等に追及する」ことを具体的な商品・経営のあり方でお示しすることは,業界のリーダー的立場となったオーパ・クラフトの取るべき行動として,当然の着地点であるとも考えております。何卒,ご理解を賜りたいと存じます。

■ 防災艇・防災艇事業の着実な進展

展示では多機能収納システムとあわせて展示

この一年は防災艇事業でも着実な進展の年となりました。オーパ・クラフトが開発し,大手防災用品商社赤尾様を通じて販売をはじめた防災用救助艇「RB-31A」は,2018年も数多くの自治体や公益団体様からご発注をいただいたほか,民間の法人様にも本格的な納艇が始まりました。地元,愛知県・弥富市の広報誌の表紙でオーパ・クラフトの防災艇が防災訓練で使われている様子を掲載していただきましたが,実際,各地でしっかり使い続けられている弊社のボートの活躍を見るにつけ,社会貢献としての防災艇事業の意義をひしひしと感じます。また,日本最大級の防災に関する展示会である「危機管理産業展」において,赤尾様のブースでRB-31Aを展示をしていただき,その様子をテレビ朝日様、TBS様に夜の全国ネットニュースで放映していただきました。一昨年のNHK様・テレビ愛知様の取材・放映でも大きな反響がありましたが,この危機管理産業展の展示・報道をきっかけに,防災艇・レジャー艇の両面で,さらなる多くのお引き合い,ご注文を全国からいただけました。関係者の皆様に御礼を申し上げます。

■ 公的機関との関わりの深化

一方で,この一年も、関係する行政機関の会議に参加させていただき、各種の提言をさせていただきました。FRP製の小型分割式ボートのメーカーとして、国内一流のFRP素材を用いて、丁寧な検査を行いながら一貫生産を行っているメーカーとして,行政機関など多くの関係者の方々から高く評価いただきましたことを,光栄に思っております。一昨年から昨年にかけて,オーパ・クラフトの代表,福庭は,国土交通省様,海上保安庁様,小型船舶検査機構(JCI)様、マリン事業協会様など多くの公的機関からの要請で,多くの公的な会議に出席し,委員としてボートやボートの活用にまつわる安全性に関する様々な意見を申し上げてまいりました。国土交通省並びに海上保安庁主催の会議「ミニボートの安全に係る意見交換会」への参加については,国内小型ボートメーカーを代表する3社のうちの1社として選んでいただき,これからのミニボートのあり方について,業界を代表して委員として提言を行いました。海上保安庁様より出席要請をいただきました「日本水上安全・安全航行サミット2018」では,幅広い情報・意見交換の場を与えていただきました。小型船舶検査機構様主催の「超小型舟艇の浮力要件に関する検討委員会」では,作業部会委員として,ミニボート(超小型舟艇)の安全確保のための方策や基準について,意見を述べさせていただき,報告書に反映していただきました。また,2018年2月に弊社が製造・納品した新商品,ドーピング検査装置についても,その後,各地のスポーツ大会で使用され,実際に検査に使われてきました。作動検査を行うために,こちらからお願いして秋にはアンチ・ドーピング機構を訪れ,各種の検査を実施いたしましたが,大変良好に作動していたことを確認できました。弊社が得意とするFRP設計技術を存分に発揮する機会を頂いたこと,五輪や国内スポーツ競技の大会に関わらせていただいていることに,感謝いたします。

2019年の抱負

新年は、ミニボートを含めた小型艇の安全性の対策として、特にリジットタイプのボートの安全対策については、よりフロートの装着が安全性の飛躍的向上に寄与するということを広くお伝えしながら、本年も関係する行政機関や業界関係者と協力し、より一層小型舟艇の安全性の確保の一翼を担うために、技術的な提言や商品の開発・改良などを進めてまいります。

まず,弊社にとりましては小型ボートの安全対策の要であり,世界的にも類を見ない「はねあげフロート」から生み出される笑顔を,もっと豊かにできないかと,いろいろチャレンジしてみたいと思っております。現在,新商品として結実させるべく,様々な準備を行っております。皆様方のご期待を超えるようなものをご提供できる日が来るのを楽しみにしております。

そして,引き続き2019年も,予定されている各種の会議において,「転覆防止用フロートの装着を国レベルでの推奨品に格上げ」し,「国の関係機関が,フロートについて,業界とともに救命胴衣と同様の装着率向上を進めていただきたい」と訴えてまいる所存です。小型リジッド型ボートの根本的な弱点を解決するには,フロートは必須であり,すでにその有効性は,単にオーパ・クラフト単独の長年の研究・研鑽・実証のみならず,公の調査報告に記されている全国的な調査結果としてのデータにも裏付けられております。新年以降,公的な基準の見直しなどの際に,小型船の安全性の要素としてフロートをとり入れられていただければと期待しております。

また,最近は,従来の官公需のみならず,民間企業様からも防災艇を活用した各種の危機管理に関する御相談をいただく機会も増えてきました。生産性を向上させて,こうしたご期待にお応えすることは喫緊の課題であります。できるだけ速やかに,皆様のご期待に沿えるよう,引き続き生産力向上を目指してまいりますとともに,ボートに限らず,危機管理についてのご期待にお応えできるよう,ささやかながら一助となれる活動も行ってまいります。

さて,心苦しいことではありますが,諸物価高騰の折,新年受注分から一部商品について,値上げをさせていただきます。お知らせにも記載いたしましたが,物流経費や原材料の値上がりなどを社内努力のみによっては吸収できないため,やむを得ずこのような決断に至りました。すでにご発注いただいている方の分は,従来価格とさせていただきます。併せて価格表などに記載いたしましたが,S3の強度強化版業務仕様の新艇や,レジャー艇用操作ハンドル「超かる」なども発売させていただきます。オーパ・クラフトらしい新製品,オーパ・クラフトらしいものづくりを続ける一年としてまいりたいと存じます。

2019新年飾り(挨拶文付き)

新年を迎えるに際しまして,明るく穏やかな一年となりますように願っております。新しい一年が,皆様方にとって,よりよい一年となりますよう。

2019(H31)年1月1日
有限会社オーパ・クラフト
代表取締役 福庭 正宏